隣にある遭難

絵本の雑貨 雷鳥屋

2008年01月24日 18:35

先日、仕事帰りに図書館によってきました。
「山と渓谷」という毎月楽しみにしている
雑誌を読みました。
今月号には山行での遭難のリスクみたいな
特集記事が書かれており
まず、目についたのが西穂高独標での滑落事故。

そう、2007年3月に私が登った西穂高独標で
先に登った人が400m滑落した事故なのだ。

滑落した人がから聞いた事故の様子が詳細に書いてあった。

遭難した場所は私も、独標から下りる時
ピッケルを打った後
次の足場をどこに置こうか10分くらい悩んだ
所だったからよく覚えている場所だった。

打ったピッケルが浮いて アイゼンで踏んだ足元が滑り
荷物の重さで後ろに滑り落ちたそうだ。

私は朝一番でロープウェイで登り
遭難者は朝一番に西穂山荘から登ったので
さっきそこで、事故がおこったのは教えられても
時間的に救出の場面は見る事が出来なかった。
でも今回の記事で頭の中でだいたいイメージ出来た。

遭難して生還した人の体験談はなるべく
読むようにしてます。
自分も、生きて帰ってこなくちゃいけないから。


そして・・・・・・・・・・・


西穂高と西穂山荘の間に丸山という

こんもりとした丘のような山があります。
ここからの景色は、上高地
穂高、焼岳、笠ヶ岳も見えて
西穂山荘からも近い事から、冬山入門にはいい場所です。

数日前、この丸山に向かった人が
夜になっても帰らないという事で遭難騒ぎがありました。

結局一晩雪の中でビバークして翌日、新穂高へ
無事下山という無傷の奇跡的な生還という結果ですが

まさに、これも隣にある遭難です。


2007年3月にの西穂高独標冬山登山の帰りには、もう一つ
判断を間違えたら遭難という分岐点があったのです。

丸山あたりで吹雪にあったんですよ。
かろうじて、先が見えたので目標を信じて歩いたら
目標物自体、全然違っていて、別尾根を下っていたんです。
雪も深くなって、おかしいぞ???って感じになって・・・・・

道に迷ったと気が付いた時
恐怖で胃がキューッ!と急に縮むような感じになったのを
覚えています。


迷ったら戻るの鉄則に従い
辛かったけど戻りました・・・・・行きの登りの辛さなんて
全然感じなかったけど、この時はさすがに辛かった。

このまま、下ればなんとかなるとおもって
下る人の気持ちがよく判った。
ダメとは解っていても、下りたくなるんですよ・・・・・・

ここが分岐点でした。

なんとか、ある程度登って、ここは覚えがあるという所で
ジーっと待つこと何分か・・・長く感じました。
一瞬、視界が開けて遠くに西穂山荘が見えたのです。

本当にホッとしました。

その時にやっと足が軽くなりました。

私が冬に山に行くときは、晴れの時なので
一時的に吹雪いても待てば、視界が開けるんです。

あの時、下り続けなくて良かった。



今までは、冬山遭難というのは
別世界の出来事で
『へぇ~大変だね』って程度しか思っていなかったけど

今、山での遭難事故が起こると

あの日、自分より先に登った人が!

あの場所で、同じように道迷いを・・・・・

なんか他人事には思えないのです。


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